意地っ張りで
負けん気が強くて
絶対に曲がったことはしない
短気で乱暴で声がでかい
毎朝そんな「たけ」と
通学路をヘルメットをかぶって
追い越した自転車の数を競い合った
毎日そんな「たけ」の
部屋に上がり込んでは
「かっこええのーこんなんしたいのー」
「これ出来るとすげーと思わんか」
と二人だけの理想ばかり言い合っていた
何故だか「たけ」は僕にだけは
手を一度もあげることはなかった
上級生にまでくってかかる奴なのに
学校がバラバラになり
会うことも無くなった
僕はお互いの生き方がそこに
あると思ってたんだ
だから、一度見かけたとき
立ち止まった二人は
声を合わせられなかった
僕が働き始め2年経った頃
「たけ」に一生会えなくなった
僕より背の低い「たけ」しか知らないのに
そうじゃない笑う「たけ」には
もう会えない
そう思ったとき間違ってた事に気が付いたよ
生き方なんてそれぞれにあるもんじゃないって
みんな一緒に生きてるんだって
今でもお前と一緒に遊びたいよ
「たけ」だったらこんなとき
「たけ」ならこれぐらいなこと
だからね、きっと僕はまだ「たけ」と生きてるんだ
:: 別れ道はつながってる:: Ricoh caplio GX :: W82.5T52