松江水郷祭 壱日目-カメムシと共にあらん

初めての松江水郷祭湖上花火大会へ出かけた。松江市街地の東側に和久羅山がありそこにカメラマンが集まるとの情報を頂き意気揚々出かけた私。今回は車にバイクをマウントして現地の行動を軽快にする作戦。
和久羅山登山道近くの駐車スペースは車10台ほどでほとんど埋まっていたので離れた無料駐車場に車を置きバイクで登山道入口に再アプローチ。登山道入口の「頂上まで1000m」にすっかり私の考えが甘かったことに気がつく。ハイキングカジュアルな装備の私は入口の配布登山杖にしがみついた。覚悟を決めひとり幅の落ち葉な山道を登り始めるが登れば登るほど花火後の真っ暗な帰りが不安になる。何度も休みながら敗戦逃亡の兵士の様な状況で頂上に辿り着くとそこには沢山のカメラマン達。

暑い日光に耐えつつ期待に膨らませ陽が傾く。そして登山者カメラマンは続々と増えていく。いよいよ花火の時間がやってきた。松江の街にドローンにより「水郷祭」の文字が浮かび上がる。それだけで私の気持ちはぶるると高ぶった。花火が始まる。宍道湖を横断する規模の余りの豪華な花火に周囲もどよめいた。

ところが数分後このどよめきは落胆のため息に変わる。和久羅山に向けての風向きに花火の噴煙が目隠しになりなにも見えなくなってしまうのだ。見える花火が聞こえるだけの花火になってしまった。こうなるとカメラマンというのは何も対抗できる武器を持たない。

それでもカメラマンたちはシャッターを切っていたが再び花火がきれいな姿を見せることはなかった。
花火大会は終了しふと我に返る。暗中下山の不安が押し寄せてきた。ここは早めに撤収し誰かについていこうという他力本願的な考えになり下山し始めた登山装備の御夫婦の後ろにつく。考えることは皆一緒で数分もしないうちに私の後ろに大名行列を従えることになる。私の後ろには学生さん数人のグループがついていたがつい「すごい行列に・・・」といった感想の言葉だったのだが御夫婦のお二人は気にかけてしまい先頭を私に譲ってしまう。先導を学生さんに譲るのも気が引け覚悟を決めそのまま先頭をもらう。その結果花火が撮れなかったという無念は無事に登山口まで降りたことの喜びに変わり結果として妙な達成感を得ることになった。

バイクで車の下へ戻り積み込みを終える。車に乗り込みここでまた異変に気がつく。明かりにつられ車の中に何匹もカメムシさん達が侵入したようだ。車の中はもうあの匂いで充満してしまう。晩御飯にとコンビニに寄ったがレジに並ぶと前の方がなにか臭うとすごい勢いでキョロキョロしはじめ仕方なくカメムシ宣言謝罪するほどだった。こんな状況では何処にも行けず車中泊を決めたが匂いと暑さで眠れない一夜になるのである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました